miffue3

「フィーちゃん、何かあったの?」フィカが少し深冬から距離を取った。視線を泳がせながら笑う。

「え、何かって?」

「だって、今日のフィーちゃん、何だか様子が変よ? しかも、こんな事・・・」

こんな事と口にするなり、自分の顔を覆いふるふると震える深冬。

「私・・・されてしまった・・・しかも初めてを女の子に・・・」

壁の方を向いて丸まって身もだえている。

「このまま二人でめくりめく世界へ落ちていこうよ…?」

「またすぐそういうこと言う!」

「わたし生理前でたまってるのかな?」

「知りません。……そうじゃなくてね?」

まだ照れくさそうにしている深冬が身を起してフィカを見つめた。

「今日のフィーちゃん、元気がないように見えるよ」

「え……」

「だから何かあったのか聞いてるの」

「うう……」

フィカが困ったように口をへの字に曲げた。

「……なんでも、ないもん。深冬のおっぱい揉みたかっただけだもん。ただむらむらして、したくなっちゃっただけだもん。…深冬は私におとなしく抱かれていればいいんだもん」

うつ向いていじけたように耳を垂れるフィカ。ご自慢のツーテールも今日は元気がない。そんなフィカは、急に自分を包むふわりとしたものを感じた。

「あなたはさびしがりやさんだものね」

深冬がフィカを、ぎゅっと抱きしめていた。

「わふっ!? みふゅ……」

ぎゅうと、深冬の胸に抱きつくフィカ。あったかかった。そこはどこよりも。

「どきどき言ってるよ?」

「フィーちゃんの音だよ?」

「ちがうよ。んんっ」

深冬の腰に手を回し、一層抱きつくフィカ。

「甘えん坊さんだね」

「うるさいやい」

「で、なにがあったのかな?」

そう言いながら優しくフィカの髪を梳く深冬。フィカはされるがままにしている。

「だから、なんでもないんだってば」

「そう? じゃあ、そうなのかもね。 …………ねえ、こうしてみると、フィーちゃんが妹になったみたい」

「!!」

その言葉にフィカはバッと顔を上げた。

(つづく)